Photo by Mariinsky Theatre “Swan Lake” Mariinsky Ballet, 2006
1月16日(土)より、
新宿バルト9ほか全国順次ロードショー!
世界中から選りすぐったオペラやバレエなどの一流のステージを、臨場感そのままにスクリーンに映し出すLivespire『World Classics@Cinema 〜映画館で楽しむオペラとバレエの世界紀行〜』。その中の1作「オンディーヌ」で騎士パレモンを演じた、英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル(最高位)、エドワード・ワトソンに話を聞いた。
■出世作『オンディーヌ』に秘める想い
Q:騎士パレモンを演じてみて、いかがでしたか?
エドワード・ワトソン:僕が演じた騎士パレモンは、踊る部分が少なくて、演じるところが多い役です。他のバレエ作品の役では、振り付けを通して物事を表現しますが、演技を通して雰囲気作りをしなければならない役でもありました。その点は、他の作品の役を演じる時と、少し違うかもしれません。僕にとっては、プリンシパルに昇格した思い入れが強い作品です。
Q:オンディーヌ役の吉田都さんとの共演はどうでしたか?
エドワード・ワトソン:実は、僕が初めて騎士パレモンを踊った時も、オンディーヌ役は吉田都さんでした。彼女は、とてもすばらしいバレエダンサーです。もちろん、彼女を尊敬していますし、世界が認めているバレエダンサーと共演できたことは光栄でした。僕は尊敬しているバレエダンサーらと共演することも多く、パートナー運には恵まれていると思います。
■伝統を重んじつつも、英国ロイヤル・バレエ団が迎える新しい局面と挑戦
Q:日本では初めて映画館でバレエが上映されますし、ロンドンでは劇場で行われているバレエを、公共の広場で同時上映する試みも行われました。このような試みについては、どう思われますか?
エドワード・ワトソン:まず、映画館という、誰でも行きやすい場所で上映されるのは、とても良いことだと思います。バレエは少し敷居が高いと感じている人や、見たことがない人も、行き慣れた映画館なら、行きやすいのではないでしょうか。カメラが細かいところまで追っているので、ストーリーもわかりやすく感じると思います。登場人物、ひとりひとりの表情も追っていけるという意味では、ステージとは違った体験ができるのではと思います。また、昨年ロンドンで行われたパブリックビューイングでは、たまたまその場に居合わせた普段はチケットが高くて行けないと思う人や、自分はバレエを見るタイプではないと初めから決めつけている人も、バレエに興味を持てたかもしれません。生のバレエを見に行こうと思うきっかけ作りとして、このような取り組みはとても良いと思います。
Q:撮影がある日は、いつもとは違う気持ちで舞台に臨みますか?
エドワード・ワトソン:上映や撮影をするために改めて踊っているわけではなく、公演中にカメラが入って撮影しているので、普段はないカメラが接近すると、少し意識してしまいます。そういう意味では、撮影日は普段より少しナーバスになるかな(笑)。いつもは2階席のお客様など、遠くで鑑賞している人にもわかりやすいように、演技をしていますが、カメラが入っている時は、少し抑え気味の演技を心がけます。
Q:英国ロイヤル・バレエ団は、チャールズ皇太子が名誉総裁を務める王立バレエ団ですが、今では多くの外国人ダンサーが活躍しています。イギリス出身のエドワードさんから見て、このような状況をどう捉えていますか?
エドワード・ワトソン:英国ロイヤル・バレエ団というくくりではありますが、世界中に認められているからこそ、さまざまな国からダンサーが来てくれていると思いますし、うれしいことです。いずれにしても、みなロイヤル・バレエ・スクールからの生え抜きのダンサーばかりなので、僕の目には英国ロイヤル・バレエのダンスを忠実に踊るブリティッシュダンサーに見えますし、国籍に関係なく、英国ロイヤル・バレエのスタイルや振り付けをきちんと継承する、英国のダンサーだと思っています。
■プライベートな時間の楽しみ方と、ダンサーとして幸せを感じる瞬間
Q:休日はどのように過ごして、リラックスしていますか? 日本公演中の楽しみも教えて下さい。
エドワード・ワトソン:寝坊をして、友達とご飯を食べに行ったり、買い物や映画館に行ったり。最近では『NINE』を見ました。本当に、普通の人がするのと変わりなくリラックスするのが、僕にとっての休日の過ごし方ですね。日本公演の際は、プライベートな時間が少ないので、よく来ている割には東京をあまり知らないんです。いつかゆっくり東京観光をしたいのと、もう1度京都に行ってみたいと思ってます。あとは来日すると、料理が楽しみかな(笑)。かにしゃぶや神戸牛を食べて、楽しんでます。どんなに食べても、バレエ公演は重労働だし、稽古も朝の10時から夕方6時30分まであって相当な運動量だから、太る心配もないですしね(笑)。
Q:バレエダンサーとして、幸せを感じる時はどういった時ですか?
エドワード・ワトソン:僕は3歳から双子の姉と一緒にバレエを初めて、今ではバレエを仕事にすることができました。演者として、幸せを感じることはたくさんありますが、何よりも、好きなことが仕事だということが、とてもうれしい状況です。それに、演目が終わってお客さんから拍手をもらう時が最高です。6月には日本公演がありますが、日本のお客様は情熱的かつ熱狂的で、演じた後は僕自身もとても満足感を得られるので、6月にまた日本に戻ってくるのがとても楽しみです。
プロモーションのために数日だけ来日するという強行スケジュールの中、疲れも見せずに、紳士かつ丁寧に答えてくれたエドワード・ワトソン。英国ロイヤル・バレエ団や今後のバレエ界などに対する想いを真摯に答える姿には、プリンシパルとして、自分自身がバレエ団を引っ張っていかなければいけないという、強い想いを感じました。今後、どのようなバレエ公演を見せてくれるか、さらなる期待と楽しみが持てました。まずは、6月の来日公演で踊る「うたかたの恋」のルドルフ皇太子役、「ロミオとジュリエット」のロミオ役に注目したいと思います。(近岡)
“Ondine” The Royal Ballet,2009
Photo by Marco Brescia “La Traviata” Theatro alla Scala, 2007
Photo by Catherine Ashmore/Provided by Digiscreen “Don Giovanni” The Royal Opera, 2008
Photo by Mike Hoban “La Cenerentola” Glyndebourne Productions Ltd , 2005
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