『マッチポイント』『タロットカード殺人事件』に続く、ロンドン3部作の最終章を飾る『ウディ・アレンの夢と犯罪』は、兄弟の転落劇という、自身にとってはこれまでにないテーマ。作品に込めた意図をウディ・アレン監督に聞いた。
本作は、ビジネスの成功を夢見る兄と、それなりに充実した生活を送る弟が“カサンドラ・ドリーム”と名付けた小型クルーザーを購入したことで響き始める不協和音を描いたヒューマン・ドラマ。
ユアン・マクレガーとコリン・ファレルの大人気俳優2人が対照的な性格の兄弟役を好演する本作。彼らの起用について訊ねると、「最初に2人の兄弟というアイデアが僕を魅了しました。なぜなら家族の絆はとても重要な依存関係を作り出すからです。脚本にできる限り兄弟の性格を描きましたが、俳優たちがもたらしてくれた力もすごいでものでした。ユアン・マクレガーとコリン・ファレルはとても感じのいい青年でこの役に最適でした。キャスティングの理由はそれに尽きます。彼らに会ってすぐに、脚本を書いたときに考えていた通りだと思いました」と、満足した様子がありありと伝わってきた。
また、ウィットに富んだラブコメディを数多く手がけてきた監督にとって、本作をはじめとしたロンドン3部作は意外とも言えるものだが、そのことについて訊ねてみると「何かを伝えようと思ったわけではないのですが、人生の悲劇を見せようと思いました。2人の真っ当な青年が、置かれた状況と野心と弱さが災いして自らどんどん深みにはまっていく。そして最後には自分達と周囲の人々の人生を狂わせてしまう。人生は多くの人にとって悲劇だということです」との答えが返ってきた。
そんなウディ・アレン監督だが、最後に劇場に観に来てくれる観客へ向け、「ぜひ楽しんでください! 観終わってお金の無駄だったとかこの映画は幼稚で知性の冒涜だとは言わずに(笑)、いい時間を過ごせたことを感謝してもらえたらいいなと思います」と、コメント。「コメディを撮っていた頃より、観客が広がって嬉しいです」と、笑顔を見せた。
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